タイに住んで10年以上、タイ語と日々格闘している筆者が厳選した、使える面白いタイ語フレーズをご紹介します。
観光で訪れる方から、タイ移住を考えている方、タイ人と仕事をする方まで、これらのフレーズを覚えておくと現地での会話が格段に楽しくなりますよ。
タイ人の心をつかむ「魔法の言葉」をマスターして、タイでの生活や交流をさらに充実させましょう!
日本語に聞こえるタイ語フレーズ
タイ語を勉強していると、「あれ?今の日本語に聞こえるぞ?」という瞬間に出会うことがあります。
そんな偶然の言語の一致を活用すれば、タイ語の習得がぐっと楽しくなります。
特に以下のフレーズは、日本人にとって覚えやすく、使い勝手も抜群です。
「ホンナムユーティーナイ」(ห้องน้ำอยู่ที่ไหน) – トイレはどこ?
「ほんなんゆーてない」(関西弁で「そんなこと言ってない」)と聞こえるこのフレーズ、実はタイ語で「トイレはどこですか?」という意味です。
旅行中や外出先で最も役立つフレーズの一つで、この一言を覚えておくだけで、困った時に大活躍します。
「カンケーンナイ」(กางเกงใน) – 下着
日本語で「関係ない」と聞こえるこのフレーズ、実はタイ語では「下着」を意味します。
「関係ない」と「下着」の意外な組み合わせは、タイ語初心者にとって覚えやすい語呂合わせになります。
ただし、公の場で大声で言わないように注意しましょう。
「アンタラーイ」(อันตราย) – 危ない
日本語で「危ない」という意味のこの言葉は、何となく日本語を思わせる、比較的覚えやすい単語です。「アンタラーイ!」と叫ぶだけで、危険を知らせることができます。
バンコクの交通事情はアンタラーイ(危険)なシチュエーションが多いので、頻出単語とも言えるでしょう。
タイ人との距離を縮める日常会話の面白フレーズ
タイ語の魅力は、その独特の表現方法と豊かな感情表現にあります。
特に日常会話で使われるフレーズは、タイ人との距離を一気に縮めてくれる効果があります。
「マイ ペン ライ」(ไม่เป็นไร) – 気にしないで
タイで最も使う言葉といっても過言ではありません。「大丈夫」「問題ない」「気にしないで」など様々な場面で使われます。
バンコクのオフィスでも、同僚が書類を落としたときや小さなミスをしたときに、この一言で場の空気が和らぐことが日常茶飯事です。
この言葉はタイ文化の「マイペンライ精神」(何事も深刻に考えない心)を表す象徴的なフレーズでもあります。
「チョーク ディー」(โชคดี) – 幸運を!
日本語の「がんばって」に近いニュアンスですが、より「幸運を祈る」という意味合いが強いです。
タイ人の同僚が重要なプレゼンに向かうとき、「チョーク ディー!」と声をかけると良いでしょう。
試験前の学生や、大事な商談に向かうビジネスパーソンにも使える万能フレーズです。
「サバーイ ディー マイ」(สบายดีไหม) – 元気?
日本語の「お元気ですか?」に相当します。タイ人との会話の始まりには、ほぼ必ずこのフレーズが登場します。
これに対して「サバーイ ディー」(元気です)と答えるのが定番です。
「パーク マー」(ปากหมา) – 口が悪い ※スラング
直訳すると「犬の口」という意味で、日本語の「口が悪い」という表現に対応します。
この表現は使いどころに注意が必要ですが、親しい友人同士になれば冗談で使うことができます。
タイ人が冗談でからかってきた際に、「パーク マー」と返すと笑いが起きるはずです。(たぶん・・・)
イサーン語でタイ人の心をつかむ
タイの東北部「イサーン地方」出身者はバンコクなど都市部で多く働いています。
実はタイの人口の約3分の1がイサーン出身と言われており、彼らの方言であるイサーン語(ラオ語に近い)を少し知っているだけで、タイ人との距離が一気に縮まります。
「セープ イリー」(แซบอีหลี) – とても美味しい
標準タイ語の「アロイ マーク」に相当するイサーン語で、「とても美味しい」という意味です。
特にソムタム(青パパイヤのサラダ)やラープ(挽肉のハーブ和え)などイサーン料理を食べるときにこの言葉を使うと、店員さんの顔が一気に明るくなります。
発音は「セープ」の後に少し間を置いて「イリー」と言うのがコツです。
「ボーペンヤン」(บ่เป็นหยัง) – 大丈夫
標準タイ語の「マイ ペン ライ」に相当するイサーン語です。
「問題ない」「気にしないで」という意味で、イサーン出身者に対してこの言葉を使うと、とても親近感を持ってもらえます。
「サバーイーディーボー」(สบายดีบ่) – 元気?
標準タイ語の「サバーイ ディー マイ」(元気ですか?)に相当する挨拶です。
イサーン出身のタイ人に「サバーイーディーボー?」と声をかけると、大抵は驚いた後に「サバーイディー(元気です)」または、「ボーサバーイ(元気ではありません)」と返してくれます。
タイ人を笑わせる発音テクニック
タイ語の発音には日本人にとって難しい音が多いですが、あえてその難しい発音を強調することで、タイ人を笑顔にすることができます。
特に以下の発音テクニックはタイ人との会話を盛り上げる秘訣です。
「ร」(ロー・ルア)の巻き舌発音で笑いを誘う
タイ語のアルファベットには「ร」(ロー・ルア)という文字があり、正式には日本語の「ラ行」に似た巻き舌で発音します。
しかし、現代のタイ人の多くは、日常会話では巻き舌をあまり使わずに発音しています。
実際、巻き舌の発音が苦手な方も少なくありません。
そんな中、日本人が意識的に「ร」を大げさめに巻き舌で発音すると、タイ人はなぜか大喜びしてくれます。
例えば「アロイ」(อร่อย・美味しい)を「アrrrロイ」と巻き舌で言ったり、「クルンテープ」(กรุงเทพ・バンコク)を「クrrrンテープ」と大げさに発音するとウケます。(筆者調べ)
効果的に使うタイミング
私見ですが、この反応の理由は、現代のタイ人にとって巻き舌発音が少し古風で格式高く聞こえるためかなと思います。
日本人がそれを意識的に使うことで、「正統なタイ語を学んでいる」という印象を与え、同時にちょっとおどけた感じにも聞こえるからです。
外国人にとって、この「ร」の巻き舌は、タイ人との距離を縮める意外な武器になります。
タイ人が反応する面白い発音のコツ
巻き舌以外にも、タイ語の語尾に「ナー」「チャー」などの終助詞を付けると、より自然なタイ語に聞こえます。
「アロイ マーク ナー」(本当に美味しいよ)、「パイ キン カオ カン チャー」(一緒にご飯食べに行こうよ)など、終助詞を付けるだけで、タイ人との会話がぐっと親密になります。
少し恥ずかしさを捨てて、思い切り発音してみると、タイ人との距離が縮められるでしょう。
まとめ
タイ語の面白いフレーズを覚えることは、単なる言語学習を超えた価値があります。
これらの言葉を実際に使うことで、タイ人との距離がぐっと縮まり、より深い交流や信頼関係が生まれます。
私自身、バンコクで10年以上暮らす中で、言葉一つで開かれるチャンスや出会いの多さを何度も実感してきました。
タイはもともと外国人にとてもフレンドリーな国ですが、タイ語で話しかけることで、さらに一歩踏み込んだ関係を築くことができます。
言葉は文化への扉。ぜひタイ語の面白いフレーズを活用して、微笑みの国タイの魅力をより深く体験してみてください。