バンコクでの子育てに興味をお持ちの方、実際に検討されている方向けに、現地在住4年の筆者が詳しく解説!
教育環境や医療機関、生活費用など、知っておくべき重要ポイントを紹介していきましょう。
タイ(バンコク)子育て環境:日本との違い
タイ(バンコク)はおおらかで陽気な人が多い
【微笑みの国タイ】と言われるイメージの通りおおらかで陽気な人が多いです。
また仏教徒が多く、徳を積む行為を行うことで来世が良くなるという信仰が強いため、人助けを積極的に行う人が多い印象があります。
タイ人は子供が大好き!
タイ人は子供が大好きです。
日本では電車や室内で赤ちゃんが泣いたり騒いだりすると嫌な顔をされることがありますが、タイではほぼありません。
食事に行くと店員さんに「私が抱っこしていてあげるからゆっくり食べてね」と言われることもしばしば。
子供はアイドル的な存在でナーラック!(かわいい)とかわいがってくれて、日本と比べて子育てがとてもしやすい環境です。
タイでは家族総出で子供の面倒を見る
タイでも産前産後休暇(90日)はありますが、育児休業制度が充実していない会社も多くあるため出産後すぐに職場復帰する女性が多いです。
地方であれば祖父母や親戚と同居しているケースも多く、母の代わりに祖母や親戚が子供の面倒を見ます。また、子供を実家に預けてバンコクへ出稼ぎへ行っているケースもあります。
現在のバンコクでは日本同様、核家族化が進んでいるためナニーを雇い子供のケアを任せるという家庭が一般的です。小さい子供のいるバンコク在住の日本人家庭の多くもナニー(≒ベビーシッター)を雇い、一緒に育児をしています。
慣れない海外での育児を支えてくれる頼りになる存在です。
バンコクで子育てするメリット・デメリット
バンコクで5年間、実際に子育てしている私が感じる、バンコクで子育てする魅力(メリット)と気になるところ(デメリット)をそれぞれご紹介します。
バンコクでの子育て【メリット】
・子供に寛容な国民性
・子ども向けの遊び場が充実
・家事代行やベビーシッターサービスが安価で利用可能
・年間を通じて温暖な気候
・日本食材が手に入りやすい
・異文化理解や多様性を学ぶ機会
・バイリンガル環境
・タクシー等の交通費が安い
バンコクでの子育て【デメリット】
・大気汚染への懸念(乾季11-1月頃)
・交通渋滞が深刻
・円安の影響もあり物価安をあまり感じない
・教育費が高額(特にインターナショナルスクール)
・医療費が高額
・日本と比べて公園が少なく、外遊びできる時間や場所が限られる
・横断歩道や歩道がなく、道がガタガタしていて危ないところが多い(ベビーカーは使いづらい)
バンコクの教育事情【インターナショナルスクールor日本人学校】
インターナショナルスクール
バンコクには100校以上のインターナショナルスクールがあります。
アメリカ式・イギリス式・オーストラリア式・シンガポール式などカリキュラムも様々で、
選択肢も豊富です。
【主な学費の目安】
・入学金:20万円~150万円
・年間授業料:150万円~300万円
・その他諸経費:30万円~50万円/年
人気校の例
インターナショナル・スクール・バンコク(ISB) ・XCL American School・BANGKOK PREPなど
日本人学校
バンコク日本人学校は、世界で最も歴史が古い、世界最大規模の日本人学校です。
【費用目安】
・入学金:約70万円
・授業料:約65万円/年
・スクールバス代:約15万円/年
医療機関と子どもの健康管理
バンコクの医療水準は東南アジアの中でも高いので、安心して受診できます。
日本と違いタイでは1年中インフルエンザにかかったり、とても暑いので熱中症など体調不良になることもよくあります。
病院の受診は全てが自己負担になるので、海外旅行保険の加入がおすすめです。
例:風邪の受診・薬の処方 3,000バーツ(約13,000円)
おすすめの総合病院(日本語通訳常駐)
・サミティベート スクンビット病院(スクンビット49)
・バムルンラード病院
・バンコク病院
大きな総合病院は予約をしても長く待つことがあります。
症状に応じて日系クリニックの活用もお勧めします。
・DYMクリニック
・ことびあクリニック
・サクラクロスクリニック
予防接種について
タイでは日本と異なる予防接種スケジュールがあります。
タイ渡航前に追加で必要な予防接種:
・A型肝炎
・B型肝炎
・破傷風
・狂犬病
・日本脳炎
【バンコク】子育てにかかる月額費用の目安
基本的な生活費(4人家族の場合)
・住居費:8~15万バーツ(日本人が多いスクンビットエリア)
・食費:4~6万バーツ
・光熱費:5,000~15,000バーツ
・水道代 500バーツ(家賃に含まれているところも多い)
・交通費:3,000~8,000バーツ
日本食 350-500バーツ/人
タイ料理 60-200バーツ/人
子育て関連費用
・ナニー(ベビーシッター):時給150~300バーツ
・アヤさん(メイド):月額3,500~5,000バーツ(週2日4時間)+ボーナス(1か月分)
※日本語が話せる・和食が作れる等スキルのあるアヤさんは月額が高くなります。
・習い事(1科目):3,000~10,000バーツ/月
・おむつ・ミルク代:2,000~5,000バーツ/月
【バンコク在住日本人に人気】住居選びのポイント
赤:日系スーパー 黄:子供の習い事
子供の年齢・就学状況によって選んでいる家庭が多いです。
バンコク日本人小学校はバス通学で、送迎範囲がスクンビットエリア(スクンビット1からスクンビット63まで)と決まっています。
バンコクの渋滞は酷く、奇数・偶数側でバスの乗車時間が30分-1時間変わることもよくあります。
また、日本のように徒歩圏内で気軽に公園に行くのも難しく、気温が高い日や雨季もあるためアパートのファシリティ(子供の遊び場の有無)も重視して選んでいる方も多いです。
物件の種別
移住者や駐在者向けの物件は家具・家電付きが一般的で、ジムやプールのファシリティがあります。
スクンビットエリアでは最寄り駅までのシャトルサービスがある物件も多いです。
※生活必需品:冷房・冷蔵庫・洗濯機・電子レンジ
コンドミニアム | アパート | サービスアパート | タウンハウス | |
部屋の家具・内装 | 各部屋ごとに異なる | 全部同じ | 全部同じ | 各部屋ごとに異なる |
電化製品 | 生活必需品は全てあり | 生活必需品は全てあり | 生活必需品は全てあり | ないところも多い |
管理面 | オーナーが対応 | アパートの管理スタッフが対応 | アパートの管理スタッフが対応 | オーナーが対応 |
コンドミニアム
部屋ごとに個人オーナーが所有している物件。
管理面:不具合があった場合、オーナーが対応。
タイの富裕層や外国人も多く、すぐに連絡が取れず対応が遅れる可能性もあり。
〇電気代は、電力会社からの直接請求のため正規料金▲不具合があった場合の修理費用は入居者負担になるなど問題になりやすい
▲ペストコントロール(害虫駆除)、エアコンガス補充、電球交換などのメンテナンスは基本自己負担
アパート
法人オーナーが一括所有・管理している物件。
管理面:オーナーの雇用したアパートの管理スタッフが修繕や定期的なメンテナンスも対応してくれるので安心。
〇不具合の際も対応がコンドミニアムよりスムーズで早い
▲コンドミニアムに比べて物件数が少ない
▲電気代にサービス料等が上乗せされる
サービスアパート
法人オーナーが一括所有・管理している物件。
管理面:オーナーの雇用したアパートの管理スタッフが修繕や定期的なメンテナンスも対応してくれるので安心。
メイドサービス(室内清掃・リネン交換など)は賃料込み
〇レセプションにスタッフが常駐しているため、トラブルの際も安心
〇生活備品(食器・調理器具も)がすべて完備しているので、到着後すぐ生活が可能
〇メイドサービスがある
▲コンドミニアムに比べて家賃が高い
戸建て・タウンハウス
部屋ごとに個人オーナーが所有している物件。
〇集合住宅よりプライベート感がある
▲マンションタイプと違いセキュリティ面が心配
▲物件数が少ない
スクンビット地区(アソーク~エカマイ):日本人居住エリア№1!
▼スクンビット地区(アソーク~エカマイ)の特徴
・日本人が多く住む人気エリア
・日系幼稚園や習い事が集中(特に奇数側)
・日本食レストラン、スーパーが多数
・BTSの利用が便利
・日本語通訳常駐の病院あり
スクンビット郊外地区(プラカノン~ウドムスック)
▼スクンビット郊外地区(プラカノン~ウドムスック)の特徴
・家賃が手頃
・ショッピングモールあり
・スクンビット地区よりローカル感を感じられる
・BTSの利用が便利
シーロム・サトーン地区
▼シーロム・サトーン地区の特徴
・大使館や外資系企業が集まるバンコクのビジネスエリア
・高層ビルが多い
・日本人向け飲食街あり
・公園などの緑も多い
【バンコク】便利な交通手段
日本に比べて交通費がとても安いです。
日本では歩ける距離でも、歩道がない、道が悪い、外が暑い、雨が降ることも多いので乗り物で移動することをお勧めします。
・タクシー :初乗り35バーツ~
・バス :エアコンの有無で料金が変わります。8バーツ~
・電車(BTS/MRT):25バーツ~
・トゥクトゥク:一番高い
・シーロー(プロンポン奇数エリア):大体40バーツ~
・バイクタクシー:20バーツ~
・船 :10バーツ~
【バンコク】子どもの遊び場・レジャー施設
雨が降っても空気が悪くても大丈夫!室内施設
▼バンコク市内にある室内設備
・ハーバーランド
・バウンス
・ヨーヨーランド
・シーライフ バンコク
・プレイモンド
・キッズーナ
・ビートアクティブ
・身長65-85㎝ 240バーツ (約1,050円)
・140㎝未満 590バーツ(約2,600円)
・大人 200バーツ(約870円)
※付き添いでもかかります
気候が良い時に行きたい!公園・屋外施設
▼バンコク市内にある公園・屋外施設
・ベンジャシリ公園
・ルンピニー公園
・ベンジャキティ公園
・サイアム・アメージング・パーク
・ドリーム・ワールド
・ポポロ アクアパーク バンコク
・サファリワールド
子連れで公園に行く際も暑くない午前中や夕方の時間がおすすめです。
【バンコク】日本食材の調達方法
日本人が世界で2番目に多い都市がタイ(バンコク)です。
多くの日系企業が進出しており、たくさんの日本人が働いています。そのため、日本食材や生活用品などが日本にいるのと同じように手に入れることができます。
日本食材が揃うスーパー
▼バンコク市内にある代表的なスーパー
・フジスーパー:品揃えが一番!
・トップスマーケット(日本食コーナー)
・Villa Market(輸入食品コーナー)
・マックスバリュ
・グルメマーケット(輸入食品コーナー)
・ドンドン ドンキ
オンラインショッピング
〇Amazonのようなショッピングサイト
・Shopee
・Lazada
〇お水1本から注文できて即日配達可能!便利!
・Big C PLUS
・Lotus online
・foodpanda mart
・grab mart
【バンコク】子育て支援コミュニティ
バンコク日本人会をはじめ、バンコク在住日本人のボランティアで運営されている様々な子育て支援コミュニティがあります。
日本人向けコミュニティ
・バンコク日本人会すくすく会
・BAMBI(Bangkok Mothers&Babies International)
・サワディークラブ
・タイ☆カラなど
困ったときの対処法
緊急時の連絡先
・救急車:1669
・警察:191
・消防車:199
・在タイ日本国大使館:02-207-8500
・タイ ツーリストポリス:02-2356-0583(日本語対応)
トラブル対応のヒント
・医療通訳サービスの活用
・旅行保険や海外医療保険の加入
・現地の日本人コミュニティへの相談
・学校の保護者ネットワークの活用
まとめ
バンコクでは多国籍の人が多く集まる環境に身を置きつつも、日本と同等の教育・習い事を受けられます。
日本食レストランの充実・日本食材も手に入りやすいことも、バンコクで日本人が子育てしやすいと思う理由の一つだと思います。
治安が比較的良く住みやすいとはいえ、日本とは異なり小学生になっても子供だけで自由に外出するのは残念ながら難しいです。徒歩圏内で気軽に行ける公園なども少ないため、アパートのファシリティや屋内遊び場を活用し、子供が運動不足にならないよう気を付ける必要もあります。
事前の準備と情報収集を十分に行い、現地のコミュニティやSNSを活用することで、充実した子育てライフを送ることができます。
現地の小児科の先生と相談して接種スケジュールを決めましょう。